幼児期のマウスピース

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は幼児期のマウスピースについてお話ししたいと思います。

マウスピースで頭が良くなり運動神経もよくなる!?

 

先日、4歳のお子さんの矯正相談を受けました

他院で

「幼児のうちにマウスピース矯正をすることで、運動神経も良くなり成績も上がるから、ぜひやりましょう。今日申し込めばキャンペーン価格で行えます。」

 

と、上下一体型の柔らかい素材のマウスピースをすすめられたそうです。

お口の中を診たところ、永久歯のためのスペースがやや少なかったものの、歯列や咬み合わせの不正はなかったので、ご自身の成長でまだこれから顎が大きくなるので様子を見ましょうと伝えました。

 

マウスピースを販売している業者に、幼少期にマウスピース矯正をすることで運動神経も良くなり成績も上がるというエビデンス(証拠)や論文があるのか を尋ねたところ、

「そういったものはありません。咬み合わせを改善することで運よく良い効果があるといいな、くらいの認識が良いと思います。」

とのことでした。

 

幼少期のマウスピース矯正は、歯並びの状態によっては意義のある治療ですが、骨格や歯列改善以外のところに過度な期待はしないほうが良いと思います。

また、幼少期の歯列矯正を行うべきなのはどのような状態かを知ること、また、適切に対応できる歯科医院にかかることも重要なことであると思います。

幼児期のマウスピースについてお話ししました。

 

乳歯の早期治療についての以前の記事です。

乳歯の早期治療

小児矯正についてのご相談②

 

マウスピース矯正の考え方

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は、マウスピース矯正(アライナー)の考え方についてお話ししたいと思います。

歯並びを矯正したいけど、歯に装置をつけるのにはちょっと抵抗がある、、、とお考えの方は、マウスピース矯正を検討されると思いますが、治療を行うにあたって十分に知っておくべきことがあります。

日本矯正歯科学会の考え方

日本矯正歯科学会のホームページ内の、学会からのお知らせのなかに、アライナー型矯正装置による治療指針 一般公開にあたってという記事があります。

これによると、

・アライナー型の矯正装置に関する臨床的研究は少なく、その安全性と有効性が科学的に高いレベルで明らかにされるには至っていない
・全ての症例を本装置のみで治せるということは考えにくい
使用の適否の判断や不測の事態への対処、治療結果は、術者たる歯科医師の責任となるため、矯正診療に関する専門的教育(教育機関における基本研修)を修めた上で、高度な診断能力、治療技能、経験を有していることが不可欠

というのが学会の考え方です。

近年、マウスピース矯正(アライナー)によるトラブルが増えている現状もあり、日本矯正歯科学会からも一般の方々への注意喚起がなされています。

マウスピース矯正によるトラブル

 

マウスピース矯正によるトラブルとは、思っていたとおりに歯が動かない、物が噛みにくくなった、でこぼこは治ったが出っ歯になった、などといったものです。

歯型を採って技工所に送ればいくつものマウスピースが送られてきて、あとは患者さんに渡すだけ といった気軽さから、矯正治療に詳しくない歯科医でも安易に始めてしまう現状だそうです。

トラブルが起こったときの代替治療ができるか否かが大事であり、上記にもあるように、教育機関における専門的教育を修めること、すなわち日本矯正歯科学会認定医であるかどうかが基準になるのではないでしょうか。

商品のインストラクターや、商品名の入った認定ドクターなどは、日本矯正歯科学会認定医とは全く別物ですので、十分にご確認ください。

 

以上、マウスピース矯正(アライナー)の考え方についてお話ししました。

 

歯ならびとあご・顔のかたち

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は歯ならびとあご・顔のかたちについてお話ししたいと思います。

 

「しっかり噛んで食べると歯ならびが悪くならずに済みますか?」という質問を受けることがあります。

よく咀嚼する(噛む)習慣を身につけると顎や顔面の正常な成長発育が期待できますが、歯ならびや骨格は遺伝などの要因も関係するため、歯ならびが悪くならずに済むとは言い切れません。

顔のかたちと咬筋

食物を咀嚼するときに働く筋肉の一つに咬筋があります。

咬筋は下顎の外側に付いている筋肉で、下顎を上に持ち上げる筋肉の一つです。

いわゆる丸顔、エラの張った人は咬筋が発達しており咬む力が強いです。

ほっそりした顎の面長な人は咬筋が弱いことが多く、下顎の臼歯が舌側へ倒れこむ傾向があり、矯正治療においては比較的難しい症例です。

 

咬筋が弱いお子様でも適度に硬いものを食べたり。食事中に時間をかけて咀嚼したりすることで顎の正常な成長発育を期待できます。

顎が発達することで歯ならびも改善される可能性もありますが、遺伝などの要因もあるため、心配が全くなくなることはないでしょう。

 

よく咀嚼して食べることは、顎や顔面部の正常な成長発育を促進する以外にも、唾液分泌を促進して胃腸の負担を減らし、顎の筋肉を使うことで脳や他の臓器に刺激を与え、健康を増進させる効果があります。

幼少期からしっかり咀嚼する習慣を身につけておくことは有意義であると言えます。

歯ならびとあご、顔のかたちについてお話ししました。

 

 

 

歯ならびと異常嚥下癖

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は歯ならびと異常嚥下(えんげ)癖についてお話ししたいと思います。

幼児型嚥下と正常な嚥下

食べ物や飲み物を飲み込むとき、歯のない乳児は上下の歯ぐきの間にした先を入れることでうまく母乳や食べ物を飲み込みます(幼児型嚥下)。

歯が生え、口の周りの筋肉が発達するにつれて、舌先を上あご(上顎前歯のすぐ後ろ)に押し当てる正常な嚥下を習得していきます。

正常な嚥下は幼少期における上顎の成長を助けています。

しかし、異常嚥下癖の患者さんは乳歯が生えそろっても幼児型嚥下が続いている状態で、飲み込むたびにした先が上下の歯に接触して歯や下顎を先方へ押してしまい、このことが原因で反対咬合や開咬となることがあります。

異常嚥下癖の治療

治療は筋機能訓練によって口の周りの筋肉(舌、口唇など)がバランスよく機能するように鍛えたり、夜間のみのマウスピースで舌の位置を矯正したりします。

筋機能訓練だけで歯ならびも改善できることがあります。

以上、歯ならびと異常嚥下癖についてお話ししました。

 

関連記事も是非ご一読ください。

口腔筋機能療法(MFT)

 

 

 

歯ならびと指しゃぶり

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は歯ならびと指しゃぶりについてお話ししたいと思います。

歯の位置と軟組織

歯の位置は舌、口唇、頬などの軟組織(=口の周りの筋肉)に大きく影響を受けます。

具体的に言うと、舌が口の中から外に押す力と、口唇や頬がそれを受け止める力の、バランスが取れた位置に歯が並びます。

しかし、指しゃぶりがあるとそのバランスが保てず歯が前に出てきてしまいます。

親指しゃぶりが強い場合には上顎骨そのものが前に押され側方歯部は頬筋で圧迫されV字型の歯列になります。

こうなると歯だけではなく骨格そのものが出っ歯(骨格性上顎前突)となり永久歯列にも影響します。

また、奥歯が咬んでいるのに前歯が咬んでいない状態(開咬;かいこう)になることも多く、くわえる指によって反対咬合あるいは顎が横にずれる交叉咬合になることもあります。

指しゃぶりをやめる時期

歯ならびへの影響を防ぐには原因となる指しゃぶりをやめることができればよいのですが、乳幼児期の指しゃぶりはこころと行動の発達に深く関係しており、無理にやめさせようとすると別の癖が現れることがあります。

3~4歳になると周囲の子と接する機会も増え、しない子を見て自然とやめることが多いですが、4歳を過ぎても強い指しゃぶりがある場合はやめる方向に導いてあげることも必要になってきます。

5歳ころまでに指しゃぶりがなくなれば、歯ならびに大きく影響することはないでしょう。

他に歯ならびに影響を及ぼす習癖として、咬唇癖、弄舌癖、咬爪癖などがあります。

 

歯ならびと指しゃぶりについてお話ししました。

歯ならびとスポーツ

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は歯ならびとスポーツについてお話ししたいと思います。

スポーツマンは歯が命

「歯を矯正したらスポーツの成績が良くなるでしょうか?」という質問を受けることがあります。

歯ならび、特に奥歯の咬み合わせが安定していると身体能力が発揮されやすくなるといわれています。

矯正治療では前歯の見た目だけでなく、奥歯の咬み合わせも整えることができます。

 

適正な奥歯の咬み合わせは筋力アップ、重心の安定化、スポーツパフォーマンスの向上などの効果が得られるということが日本スポーツ歯学会などでも報告されています。

球技においては素早く動きながら敵・味方・ボールの位置を正確に把握しなければなりません。

スキーや体操では高度なバランス感覚が要求されます。

咬み合わせが安定することで頭部が固定されると、これらの目から入る情報を動作に正しく反映させることが可能になると言われています。

多くのトップアスリートがマウスピースを使用することで奥歯の咬み合わせを一時的に安定させ、集中力とパフォーマンスを向上させています。

 

ただし、咬み合わせと脳との繋がりの因果関係は科学的な根拠には乏しく、まだ十分に解明されていないのが現状です。

今後の研究に注目したいと思います。

 

以上、歯ならびとスポーツについてお話ししました。

 

 

 

歯ならびと滑舌

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は歯ならびと滑舌についてお話ししたいと思います。

滑舌が悪い原因

滑舌が悪い原因は人それぞれで様々な要因が考えられます。

早口や抑揚がないなどの話し方の問題、不安が強い、緊張してしまうなどの心理的な問題、姿勢や呼吸の仕方が悪い、顔の筋力が弱いといった体の使い方の問題などがあります。

そして、歯ならびが悪いことが舌の動きを制限していることもあります。

矯正歯科では、歯ならびを改善するとともに、顔や口腔周囲筋の筋力を鍛えるトレーニング(筋機能訓練)を行うことで滑舌の改善が可能です。

歯ならびと発音

顔や口腔周囲筋の筋力が弱いことが歯ならびと滑舌の両方に影響することがあります。

具体的には、唇を閉じる力が弱いと出っ歯になりやすく、「マ行」「パ行」などの発音が難しくなります。

舌の力が弱いと受け口や開咬になりやすく「ダ行」「ラ行」「ナ行」などの発音が難しくなります。

歯ならびが少しガタガタしているだけであれば、筋肉の力は関係なく、発音時に空気が抜ける、あるいは唇や舌が飛び出している歯に当たるなどて発音しにくい場合もあります。

 

どの部位の筋力が弱いかを把握し矯正治療と筋機能訓練を併用することで、歯ならびと滑舌の両方を改善することが可能です。

 

以上、歯ならびと滑舌についてお話ししました。

関連記事もぜひご覧ください。

口腔筋機能療法(MFT)

治療例-開咬を伴う上顎前突

 

 

 

歯が動く仕組み

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は、歯が動く仕組みについてお話ししたいと思います。

歯と骨の間にある歯根膜

私たちの歯はあごの骨に埋まっていますが、歯と骨の間にはクッションの役割をする「歯根膜」が存在します。

歯根膜には、食べ物の噛み応えを脳に伝えたり、咬む力を調整する役割もあります。

破骨細胞と骨芽細胞

長時間、歯に力をかけることによって歯根膜が圧迫されると、血管内から破骨細胞が集まってきます。

破骨細胞は名前のとおり骨を壊して吸収し、これによってできたスペースに歯が動いていきます。

一方、引っ張られる側、つまり歯が元々あった場所は、骨芽細胞によって新しい骨で満たされます。

図1

 

このように、矯正治療では、局所における破骨細胞と骨芽細胞による吸収と添加(新陳代謝)を利用して歯を移動させていきます。

歯が動く時の痛み

破骨細胞・骨芽細胞が集まってくるとき、同時に痛みの原因物質がでてきます。

そのため、ワイヤーを交換したら1〜2日は固い物を食べにくいことがあります。(患者さんによって、痛みの感じ方は様々です。)

以上、歯が動く仕組みについてお話ししました。

裏側矯正(舌側矯正)の技工

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は裏側矯正(舌側矯正)の技工についてお話ししたいと思います。

表側と裏側のボンディング法の違い

表側矯正では通常、個々の歯につける装置(ブラケット)は、直接歯に接着していきます。この方法をダイレクトボンディング法といいます。

ブラケットをつける位置は、歯の中央、あるいは切端から何mmと決められています。(テクニックによる違いがあります。)

 

一方、裏側矯正では、歯の裏側を直視するのが難しく、凹凸のある形状であるため、ダイレクトボンディング法で正しい位置に接着することは困難です。

患者さんによって歯の厚みも異なるため、ブラケットの角度を微調整する必要もあります。

裏側矯正の技工

裏側矯正では、まず歯型から治療後の歯並びを想定した予測模型を作成し、予測模型上でブラケットをつける位置を決定します。これをインダイレクトボンディング法といいます。

既成の裏側矯正用ブラケットを使用する場合は、各歯のブラケットをトレーで固定し、口腔内で再現します。

またブラケットを金属鋳造によって作成する方法もあります。

 

裏側矯正の技工はオーダーメイドであるため治療費が高くなる要因の一つではありますが、とても精密な作業であり、矯正治療の仕上がりに大きく影響するため、大変重要な作業工程と言えます。

 

以上、裏側矯正の技工についてお話ししました。

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裏側矯正(舌側矯正)の歴史と進化

裏側矯正(舌側矯正)の特徴

口腔筋機能療法(MFT)

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。今回は口腔筋機能療法(MFT)についてお話ししたいと思います。

今回は口腔筋機能療法(MFT)とは

口腔筋機能療法はMFTとよばれ、oral myofunctional therapy の略語です。

・歯列の発達や構音(発音)の発育を妨げる指しゃぶりなどの口腔習癖

・低位舌や口唇閉鎖不全などの口腔周囲器官の不正な姿勢

・舌突出などの関連する筋肉の不調和や異常な行動パターン

以上のことを訓練により改善し、口腔周囲の正しい姿勢と機能を獲得する治療法です。

 

上記の機能障害は歯ならびやかみ合わせが悪くなる原因の一つであり、また、かみ合わせの異常が機能障害の原因となることもあります。

こういった、機能障害を伴う不正咬合では、呼吸、構音、摂食、嚥下、顎や顔面部の姿勢に問題を伴うことが多くあり、矯正治療に加えて言語治療、MFTの併用が必要となることがあります。

MFTは患者さんの協力と努力が必要な治療ではありますが、大変有効な治療であり、矯正治療前の自発的な改善ばかりではなく、治療期間の短縮や治療後の歯列の安定効果も期待できます。

当院でも、機能障害を伴う不正咬合の患者さんではMFTを積極的に取り入れています。

ご興味のある方は是非ご相談ください。

以上、口腔筋機能療法(MFT)についてお話ししました。