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矯正歯科2022/04/18

矯正治療における抜歯の考え方

岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。

今回は、矯正治療で行われる抜歯の考え方についてお話しします。
 

抜かない矯正?

「抜かない矯正治療」「非抜歯矯正の××」といった文字を目にすることがあります。
「アライナーなら歯を抜かなくても治療できると言われた」と言われる患者さんも時々おられます。

当院でもなるべく歯を抜かない矯正治療を目指しておりますが、永久歯列完成後の矯正治療では歯並びの状態によって永久歯を抜歯したほうが良い場合があります。

抜歯したほうが良い場合の例を挙げてみます。

・著しいガタガタを改善したいとき
・前歯を後ろに下げて出っ歯を解消したいとき
・奥歯の咬み合わせが悪いとき
・口元の突出感を解消したいとき
・上下の歯の真ん中(正中)をあわせたいとき
・横顔(Eライン)を大きく改善したいとき

など、スペースの不足量が大きいあるいは歯の移動量が大きい場合に、スペースを確保する目的で抜歯が必要となります。

抜歯する歯は前から4番目か5番目の小臼歯であることが多いです。

実際に抜歯の有無を決めるにあたっては、以下のような緻密な分析を行っています。
 

抜歯・非抜歯の診断

矯正治療の治療結果を左右する最も重要なことは、診断(治療方針の決定)です。

患者さんの歯並びのどこに問題点があり、原因は何か。最適な歯並び、安定する咬合を作るためにはどの歯をどれくらい動かすべきか。審美性はどれだけ回復するか。

これらを熟慮した先に、抜歯が必要か必要でないかが見えてきます。

写真(顔面、口腔内)、矯正用エックス線規格写真と歯列模型を用いて、前歯の位置や角度、上下大臼歯の咬合関係、軟組織と横顔、顎関節の状態などを総合的に分析し治療目標を設定します。

前歯・大臼歯を目標位置へ移動するためには歯列内のスペースが何mm必要かを計算します。Tweedの基準では、4mm以上の場合は抜歯したほうが良く、4mm以下の場合は非抜歯でも可能とされています。


無理やり非抜歯で歯を並べると、、、

本来抜歯したほうが良い症例を無理やりに抜かずに治療をすると、以下のことが起こる可能性があります。

・前歯が表側(唇側)に傾斜して口が閉じにくくなる
・咬み合わせが浅くなり、物がかみ切れなくなる
・横顔が悪くなる
・歯肉が下がり、歯が伸びたように見える
・顎骨から歯がとび出し、歯がしみるようになる
・矯正治療後の後戻りが起こりやすくなる

これらの反作用を考慮すると、すべての症例において歯を抜かずに矯正治療を行うことは不可能です。

診断と治療方針が適切であれば、つまり抜歯すべき症例は抜歯し残すべき症例は抜かずに目標通りに治療を行えば、審美性と機能、そして長期安定性の面で満足のいく治療結果となります。

もちろん、最終的には患者さんの抜歯したくない、あるいは抜いてほしいという希望も考慮していきますが、初めから抜歯か非抜歯かが決まっている治療では最良の結果を得るのは難しいでしょう。

以上、矯正治療における抜歯の考え方についてでした。